賛成派と反対派が大きく別れる靖国問題ですが、私は反対です。
賛成してる人が沢山いる理由ってのは、「あれだけ沢山の若い兵士を
犠牲にしたんだから、首相は彼らを弔うため、そして今後の平和維持を
誓う為に参拝すべきだ」ってのが多いと思う。
確かに最近は靖国を原爆ドーム同様、平和の象徴みたいに
見る傾向があるけど、元々は当時の陸軍が、天皇の為に死ぬ事を煽り、
戦争を神聖化するために作った軍国主義のシンボルのような物。
もちろん、それを首相が「死んだ彼らに謝罪する」という形で訪れるなら
平和の象徴として神社の意味合いが変わるのも、本来なら構わないとおもう。
忌むべき原爆の傷跡である原爆ドームが、平和の象徴とされてるように。
でも靖国神社の場合は少し勝手が違うと思う。
祭られているのが一般兵士達だけならともかく、彼らを戦場に
送り出した張本人である戦争犯罪者達までも、一緒に祭られてるんだから。
そりゃ中国や韓国が怒るのも当たり前。戦犯が祭られてる神社を
国家の代表である首相が参拝しているなんて、あてつけのようなものだと思う。
よく首相が「日本の宗教感ではどんな悪人でも死んだら
神様だから死者を責めない。」と言った事を口にしているが、
そもそも民主主義国家の代表が、公の場で
一つの宗教に固執してる事自体がナンセンス。政治と信仰は切り離すのが
民主主義の鉄則ってもんでしょう。日本にだってキリスト教徒や仏教徒でも
「悪人は地獄へ、善人は天国へ」といった考えを信じてる人達が
沢山いるんだから。(うちのおばあちゃんとか)
大体死んだからと言って、彼らの誤った行いから学びこそすれ、
前面肯定してると取られかねない態度を取るのは間違ってると思う。
例えば、ヒトラーが既に死んでいるからといって、
彼の行いを責めないでいられるか?ありえない。ドイツはむしろ彼の行いを
おおっぴらに公開し、オープンに話し合う事で、
そこから今後の教訓を得ようとしている。日本も本来
そういう態度を取るべきだと思う。歴史はそこから何かを学び取り、
教訓とするために存在するんだから。戦犯達が死んだからと言って、
何もなかった事にしてしまう方がどうかしている。
もちろんこの事に関して誰も文句を言わないなら、構わないけど
これほどの外交上のリスクを伴ってまで、参拝するとか、
ありえない。中国や韓国が靖国についてとやかくいうのは
内政干渉だ、などと言う人達もいるけど
このグローバル化する世界の中で、国家の代表が
とる行動は、外国に筒抜けてて当然、日本のイメージに関わること。
(ブッシュの軽率な行動がしょっちゅうアメリカに対する
冷笑と批判を招いてるのを見てても分かると思うけど。)
特にこの戦犯達の判断によって攻撃された被害国にしてみれば
許せない行為だろうと思う。もちろん中国などは国内情勢から
国民の目を背けるために反日を煽ってる面もあるだろうけど、
問題は政府ではなく、実際に日本軍から暴行を受けた
個人達の心境だ。私達だって、アメリカが「原爆を使ったのは
正しかった。そうでもしなければ戦争は終わらなかった」なんて
言ってるの聞くと反発覚えるでしょう。
実際にあの悲劇を体験した人達にとっちゃ、
侮辱以外のなんでもないと思う。
今の時代、「日本国民とアメリカの機嫌さえ取れば
良かった時代」は終わったと思った方がいい。
中国の近年の経済成長を見てても分かるだろうけど、
世界のmajor playerである国が変わりつつある。
注意を払わなきゃいけない相手がどんどん増えてくる。
もっと国際感覚を養って、外交上手にならないとダメだと思う。
成長する彼らと仲良くする事は、日本の国益にもつながるんだから。
(・・・・てゆーか早い話が、遺族の会からの献金、投票が必要だから
参拝してるだけなのかもね・・首相達は。)
まぁとにかく、参拝するなら別に「戦犯の名前を取り除いた」、「宗教と無関係の」
慰霊碑か何かを新しく作って、そこに謝罪しに行きなさいってコト。